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明治大正時代のレトリックの本
 
 1.テキスト形式のもの

テキスト形式のものとしては、いまのところ
  五十嵐力『新文章講話』のTOPへ(抜粋)

  島村瀧太郎(抱月)『新美辭學』のTOPへ(抜粋)
が、このサイト上にあります。
まだ作り途中なのですが、どうぞご参考にしてください。



 2.JPEG形式のもの

JPEG画像形式のものがアップされているサイトとしては、
近代デジタルライブラリー (国立国会図書館内)
があります。
国立国会図書館のサイトなので、著作権が切れた本だけがアップされます(基本的には)。
ですが、明治・大正時代に書かれた本は、ほとんどの著作権が保護期間を過ぎています。
ですので、JPEG形式でかまわないのであれば、こちらを探すのがよいと思います。

  そこで。
  明治の初めから時代順に、おもなレトリック関係の本をリストにしていってみます。

  もちろん、「近代デジタルライブラリー」がJPEG画像をアップしていれば、
  そこにもリンクを張ってあります。
  どうぞ活用してみてください。(★印は、とくに重要とされている文献)

尾崎行雄 おざき・ゆきお
 1858-1954 (2004年末日に著作権満了) 
【人物】 西洋のレトリックを、明治時代にはじめて日本に紹介した人。本の内容は、「演説法」というタイトルから見てもわかるように、「より説得的に話すため」という意味でのレトリックを中心としている。まあ尾崎行雄という人からして、「憲政の神様」と呼ばれるほどの政治家。なので、それは当然ともいえます。

菊池大麓 きくち・だいろく
 1855-1917 (1967年末日に著作権満了) 
  • 修辞及華文〔百科全書 第3冊下巻〕』(丸善/明治12年〈1879〉/ウィルレム・チャンブル,ロベルト・チャンブル編,文部省摘訳)
【人物】 菊池大麓の残した本には、数学・幾何学のものが目だつ。ただし政治家で文部大臣などを歴任している上、美濃部達吉の父親であったりと忙しい人生を送っている。まさに西洋文化を受け入れるために、明治という時代が欲した逸材です。

黒岩大(黒岩涙香) くろいわ・だい(るいこう)
 1862-1920 (1970年末日に著作権満了) 
  • 雄弁美辞法同・三版』(与論社/明治15年〈1882〉/黒岩大訳,クワッケンブス著,堀口昇校閲)
【人物】 もっとも知られているのは、『萬朝報(よろずちょうほう)』を発行したジャーナリストとしての顔。なので、レトリックの弁論術としての面が強く出ている。なお本名は黒岩周六というので、黒岩大というのもペンネームです。

坪内逍遙(雄蔵) つぼうち・しょうよう(ゆうぞう)
 1859-1935 (1985年末日に著作権満了) 
  • 「美辞論稿」(早稲田文学/明治18年〈1885〉/文芸雑誌「早稲田文学」通巻31~)
     ※「近代デジタルライブラリー」には、掲載されていないようです。
【人物】 坪内逍遙は、小説家とか劇作家としても有名。だけれども、いちばんの功績は近代の日本文学を立ち上げていったという点。この「美辞論稿」が書かれた「早稲田文学」という文芸雑誌も、坪内逍遙が中心となって作り上げたものです。

高田早苗(高田半峰) たかた・さなえ(はんぽう)
 1860-1938 (1988年末日に著作権満了) 
  • 『美辞学 前編後編(金港堂/明治22年〈1889〉)★
【人物】 高田早苗は衆議院議員、貴族院議員、文部大臣などを歴任した政治家。そして学者としてのメインは、憲法学・行政法学。なのですがこの人が、日本人で最初の翻訳ではないレトリック書をあらわした人です。

今村長善 いまもら・ながよし
 生没年不明 
  • 文章哲学』(今村長善/明治22年〈1889〉)
【人物】 これといって、何をしていたのか実はよくわからない。ただ、この人が書いた他の本から推測すると、この人は主に政治学・公法学をメインに扱っていたようです。

冨山房 ふざんぼう
 ―― (1942年末日に著作権満了) 
  • 『文章組織法』(冨山房/明治25年〈1892〉/冨山房編著)
【人物】 これは会社です。人の名前ではありません。いまも神田にある、超老舗の出版社で書店のことです。なのでこの本も、出版社の企画されて印刷された本、ということになります。

大和田建樹 おおわだ・たけき
 1858-1911 (1961年末日に著作権満了) 
  • 修辞学』(博文館/明治26年〈1893〉/通俗文学全書第1編)
【人物】 この人は詩人で、歌の作詞もやっていた。たとえば『鉄道唱歌』の歌詞を作ったのは、この大和田建樹です。「汽笛一声新橋を…」という、むかしから歌われている歌詞を生み出した人ということになります。

鶴田久作(鶴田笛川) つるた・きゅうさく(てきせん)
 1874-1955 (2005年末日に著作権満了) 
【人物】 英文学の研究者。これは、イギリスの社会哲学者ハーバート・スペンサー(1820‐1903)の書いた本を訳したものです。原文(英文)については、[The Philosophy of Style by Herbert SpencerProject Gutenbergサイト内)]にあります。

武島又次郎(武島羽衣) たけしま・またじろう(はごろも)
 1872-1967 (2017年末日に著作権満了予定) 
  • 『修辞学』(博文館/明治31年〈1898〉/帝国百科全書)
     ※著作権の保護期間が満了していないので、リンクがありません
【人物】 作詞家として有名。たとえば、滝廉太郎が作曲した『花』の作詞など。なおいつもは「羽衣」という名前で仕事をしていた人で、本名の又二郎を使っていたのはレトリック関係の本のときだけのようです。

佐々政一(佐々醒雪) さっさ・まさかず(せいせつ)
 1872-1917 (1967年末日に著作権満了) 
  • 修辞法(大日本図書/明治34年〈1901〉)★

  • 修辞法講話』(明治書院/大正14年〈1925〉)
【人物】 この人は、国文学の学者です。文芸評論とか文学史とか国語教育いったものを、研究していました。そういうわけなので、このリストにならんでいるメンバーのなかでは、レトリックに近かった人だといえそうです。なお佐々政一という人は、俳人としての号として醒雪というものを名のっていました。この醒雪という号のほうも、俳句をたしなむ人の中では、わりと有名です。

島村瀧太郎(島村抱月) しまむら・たきたろう(ほうげつ)
 1871-1918 (1968年末日に著作権満了) 
【人物】 この人は各分野を研究していた多才な人。すぐ下に書いてある五十嵐力が一生の研究をレトリック関係で過ごしたのにたいして、この人はほんとうに色々な分野での研究がある。それでいて『新美辞学』も、明治期では『新文章講話』に次ぐようなレトリック関係の頂点といえる著作になっています。

五十嵐力 いがらし・ちから
 1874-1947 (1997年末日に著作権満了) 
  • 文章講話』(早稲田大学出版部/明治38年〈1905〉)

  • 新文章講話(博文館/明治42年〈1909〉)★

  • 実習新作文』(早稲田大学出版部/明治43年〈1910〉)
【人物】 この人は日本のレトリック学では、明治時代の偉人扱いです。まあでも明治時代に早稲田大学で講義をしていたときには、当時の早稲田の学生に「作文の先生」と皮肉られていたらしいけど(本人いわく)。…と、そんなことはともかく。五十嵐力は、いまでもなお日本のレトリックにたいして非常に強いインパクトを与え続けています。

渡辺吉治 わたなべ・きちはる
 1894?-1930? (1980年末日に著作権満了?) 
  • 『現代修辞法要』(神保書店/大正15年〈1926〉)
【人物】 戦前の日本におけるレトリック学の、ラスト走者に当たる人。これ以降のレトリックは、おとろえていくと同時に2つに分かれていきます。ひとつは、文章を組み立てるための作法書として。もうひとつは、文体論に吸収されて波多野完治らに引き継がれていくものとして。

以上。本のタイトルに張ってあるリンクは、近代デジタルライブラリー(国立国会図書館内)の該当するページに向けられたものです。



 3.このページの参考資料

【おもに参考にした本】
  • 『近代日本修辞学史―西洋修辞学の導入から挫折まで―』(速水博司/有朋堂)
  • 『レトリックの歴史―近代日本―』(速水博司/有朋堂)
  • 『日本語の文体―文芸作品の表現をめぐって―(岩波セミナーブックス47)』(中村明/岩波書店)
  • 『文体論入門』(日本文体論協会[編]/三省堂)

【おもに参考にしたサイト】
なお。
近代デジタルライブラリーのサイト内に向けられたアドレスは、同ライブラリーのコンピュータが自動的に作成したものです。ですので、将来的にはアドレスが変わることが十分に考えられます。

もしも、リンクが切れていたら。あわてずに、まずは近代デジタルライブラリーのトップページへ進んでください。そして、そこからみなさんの自力でサーチしてみることをおすすめします。

なおなお。
著作権のばあいには、「保護期間の満了」という呼びかたをします。これは、「消滅時効」なのか「除斥期間」なのかとかいった、法律学者のアタマでっかち論争に巻き込まれないためです。…もはや循環論法のレベルにおちいっているような論争なので、かかわり合いたくないという願いが隠れています。




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