第五 主として融會の原理に基ける詞姿

 第三十七章 連法


 八五 連法は、聯法、文字又は尻取文句ともいふ。前句の末の語を再び次ぎの句のかしらに置く、同語を前後に排列して上授け下受くる推移の工合にいはれぬ妙味ある詞姿である。「三界皆佛國、佛國それ衰へむや、十方悉く寳土、寳土何ぞ懷れむや。」「春に育つも花誘ふ、蝶は菜種の味知らず、菜種の蝶は花知らず知られず知らぬ中ならば、浮かれ初めまい、狂ふまいもの味氣なや。」など、皆此の法を用ゐたものである。此の詞姿は順感の原理にも基礎をおいて居る。  八六 大祓詞は、我が最古の文章の一つで、詞の中最も莊嚴流麗なるものであるが、其の趣致は一面は連の妙なる點にある。