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第三 主として增義の原理に基ける詞姿

 第二十四章 重義法

其の七 類裝法

 六〇 類裝法の一種に數裝法といふべきものがある。數裝法とは數字を點じて文を裝ふ詞姿をいふ。例へば「二日醉三日目にまだよツかよか。」といへば宿醉數日にわたるといふ本筋の外、二三四と序でたる數字の配合に一種の趣味があつて文趣が豐かになる類ひである。

思ふ事つ叶へばまたむつかしの世や。
天下第の、つの銘の劔にて、海を治め給へば、穀成就も此の時なれや。(謠曲「小鍛冶」)
さしくる汐を汲みわけて、見れば月こそ桶にあれ。是れにも月の入りたるや。うれしや是れも月あり。月は一つ、影は二つ滿つ汐の、夜の車に月を載せて、憂しとも思はぬ汐路かなや。(謠曲「松風」)
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