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錯字・音字換入 さくじ・おんじかんにゅう paragram | |||||||||||||||||||||
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——『みなみけ』9巻17ページ (桜場コハル/講談社 ヤンマガKC) |
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錯字・音字換入は、単語のなかの文字を取りだして、ほかの文字にとりかえるレトリックです。 | |||||
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「錯字・音字換入」は、もとからあることばの文字を1つ、入れかえるレトリックです。なので、「しゃれ」「駄洒落」と同じような役割をするものだといえます。そのため、指ししめしているものをバカにしたような言いまわしになることがあります。 | |||||
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上でもふれましたが、「錯字・音字換入」には「しゃれ」「駄洒落」といった面があります。このことから、諷刺や皮肉といったニュアンスを持つことがあります。また、常識をひっくり返すような言いまわしになることもあります。 | |||||
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「錯字・音字換入」には、ことば遊びという側面があります。 | |||||
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使いかたはカンタンです。ある単語が持っている文字の1つ削って、他の文字を入れるだけです。べつの言いかたをすれば、「音字削減」と「音字添加」をつづけて行うものです。 | |||||
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引用は、『みなみけ』9巻から。 ここに登場するのは、5人。「チアキ」「吉野」「マコト」と、ちょい役の「内田」。それと、イラストでは登場しないけれど、「トウマ」も登場する。 ある朝。トウマは、朝食を食べたあとの茶碗を片づけずに学校に行こうとする。するとトウマの兄に、「片づけていけ」と注意される。そして、「女らしさが足りない」と言われてしまう。 そのやり取りのなかでトウマは、「女らしさってなんだ?」という疑問をもった。そこでクラスメイトの吉野に、その疑問をぶつけてみる。すると「男の人が考える女らしさは、男の人に聞いてみよう」とアドバイスを受ける。そこで吉野は、マコトに聞いてみることにする。けれどもマコトは、「分からない」と答える。 このあたりから、「錯字・音字換入」になります。 そこで次に、チアキに聞く。するとチアキは、持っていた筆をゆっくりと動かし、次のように書く。 ここで出てきた「女らしさ」と「女々しさ」の2つが、「音字換入」というわけです。「女らしさ」の「ら」を「々」にかえると「女々しさ」になります。 |
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「ダブレット」という用語があります。 これは結局のところ、「錯字・音字換入」をくり返したものです。このことを、これから下に例をあげながら見ていくことにします。 |
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「ダブレット」は、上にも書いたように「錯字・音字換入」を何度もくりかえして、まったく別の単語を生みだすものことです。 もっとくわしく書くと、
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まあ、こんなふうに定義だけ書いても、わかりづらいかと思います。そこで、具体例をあげてみましょう。 たとえば、私(サイト作成者)が、1つ例をつくってみました。 サンソ(酸素)→サンバ→サカバ(酒場)→ハカバ(墓場)といったものが、この「ダブレット」ということば遊びになります。 この「ダブレット」は、アリスの作者ルイス・キャロルが発明したとされています。ルイス・キャロルはイギリス人なので、英語のアルファベットでつくった「ダブレット」となります。 ルイス・キャロルがあげている例としては、 HEAD(頭)→HEAL(治る)→TEAL(小ガモ)→TELL(話す)→TALL(高い)→TAIL(しっぽ)などがあります。 こういったことから、「錯字・音字換入」をくり返したものが、「ダブレット」だといえます。 |
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ふだん「日本語」を使っているひとは、日本語の「ダブレット」のほうか作りやすい。そして、いつも「英語」を利用していれば、英語の「ダブレット」がカンタンにできる。それは、あたりまえです。 ここで書きたいのは、それとは違います。どういうことかというと、
そこで、しらべてみました。かなりアバウトな計算だけれども。 結論としては「英語のほうが作りやすい」になりました。あくまで、アバウトな計算だけれども。 その考えかたの流れは、次のようなものです。 ![]() ![]() |
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まず英語は、アルファベットが26種類。日本語の文字数(ひらがな)は、75種類(「ゐ」「ゑ」を除き、「ゃゅょっ」「ん」とを含めた数)。これを「x」とおく。 次に、1文字を入れかえる(=音字換入する)ことができるパターン。この数を考えてみる。するとn文字の文字列のうち、ある1文字を入れかえるパターンはn通りある。 さらに、文字を入れかえるときに、入れかえた後の文字の種類を考える。これは、x^n通りある。 このことから、次のことがいえます。つまり、n番目の文字が、単語で1回文字の入れかえ(=音字換入)するパターン。これは、あわせるとn・x^n通りになります。 それから、英語と日本語の単語をどこから取りあげるか。これも、かなり大切です。 今回、英語については英検5級の試験で出題される英単語(のうち、最初の文字がA~Fのもの)にします。これに対して日本語については、上にあげた英検5級の英単語の日本語訳を使います。単語は全部で166個なので、ほんとうはもう少し数があったほうがいいとは思う。まあ、あくまでアバウトなので。 つまり、任意に選ばれた単語がn文字から、別の単語をつくることのできるパターン。これが、n・x^n通りあるというわけです。また、その長さの単語がどれだけあるかという比率を計算するために、比率y=x/166を計算することにします。 |
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次は、どのような長さの単語が多いか(または少ないか)。つまり、単語の長さがどのような比率であらわれるか。こちらを考えてみます。 すると、英語は となります。対して日本語は、 まあ実際のところ、上のデータが信用できるかについては、責任をもちません。いろいろ無視している部分が多いので。 結果としては、英語でダブレットを作るのがカンタン(約26.52億通り)。これに対して、日本語はちょっと難しい(約1.36億通り)。といったことになりました。 ではなぜ、このような大きな差が生まれたか。それはおそらく、1つの単語で使われる文字の数に違いがあるからです。つまり、1つの単語に使われる文字の数が、英語のほうが多い。とくに、9文字の単語が、英語では11個ある。なのに、日本語では、0個(ひとつもない)。 結論としては、英語のほうが日本語よりも「ダブレット」を作りやすいといえます。 |
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錯字・音位換入 | |||
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語中音変更 |
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中国語には、「錯字」という単語があります。この「錯字」の意味は、「誤植」とか「誤字」といったものです。なので、このページの「錯字」とは関係がありません。 | |||
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幼児語、スプーナリズム、音字添加、音字削減、音位転換 | |||
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「音字換入(錯字)」について、2ページ程度の解説があります。ほかの本よりは、ていねいに扱っていると思います。 | |||
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少ないですが、こちらにも「錯字(音字換入)」についての説明があります。 | |||
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上に、パターンの数をしらべた表を書きました。偉そうに書いているけれど、そこには致命的ともいえる欠陥があります。 それは、サンプル数が少なすぎるということです。たった166文字で、全体のことがわかるとは思えません。とくに、長い単語に関するデータは、少なすぎます。 まあ、アバウトな表だからいいんだけどね。 |
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