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強勢法 きょうせいほう emphasis
——『舞-HiME』1巻174ページ(キムラノボル・佐藤健悦ほか/秋田書店 少年チャンピオン・コミックス) 学園を守るはずの
対オーファン部隊が
学園を破壊しては…

本!!
末!!
転ッ!!
倒ォ!!!
——『舞-HiME』1巻174ページ
([原作]矢立肇、[シナリオ]キムラノボル、
[作画]佐藤健悦、[監修]矢口悟朗、[構成協力]吉野弘幸
/秋田書店 少年チャンピオン・コミックス)


定義重要度

強勢法とは、言葉や文を強く発音するレトリックです。コミックでは、トゲトゲになっているふき出しを使うことによって、かなりよく見かけるものです。


効果

効果1受け手に対して、強い印象を与えることができる

受け手(聞き手・読み手)に対して、強い印象を与えることができます。「強勢法」は、「強調」するためによく使われます。
:印象、焼き付ける
効果2伝える内容をよく理解してもらう

受け手(読み手・聞き手)に、伝える内容をよく理解してもらうことができます。これは、「強勢法」を使った部分が、とくに注目を受けるためです。
:理解、分かる、知る、解する、解せる、飲み込む、首肯、合点、得心、納得
効果3ほかから明瞭に区別し際だたせる

文の中で、ほかから明瞭に区別し際だたせることができます。
:明瞭、明らか、ありあり、明白、瞭然、一目瞭然、見るからに、明白、明々白々、鮮明、明快、判然、自明、歴然、顕著、あらわ、目立って、際だたせる、際だつ、目立つ、引き立つ

使い方
使い方1大きな声で言ったり、強く発音する

大きな声で言ったり強く発音するのが、いちばん分かりやすい「強勢法」の使い方です。これに対して逆に、極度に小さな声で言ったり弱く発音するもの「強勢法」にあたります。
:大声、叫ぶ、叫び、張りあげる、絶叫、悲鳴、強い、強調、強まる、強める、強化、増強
使い方2ゆっくり話すことによって、「強勢法」を実現する

ゆっくり話すことによって、その部分を受け手(読み手・聞き手)に印象づけることもできます。大きな声を出すだけでなく、ゆっくり話すなどといった方法で「強勢法」を使うことができます。
:ゆっくり、ゆるやか、ゆったり
使い方3相手と向かい合わせのときには、身ぶりによってもできる

相手と向かい合っているといには、身ぶりや表情によって強勢をすることもできます。身ぶりや表情は、ことば以外での強勢の例になりますが、こういったものを「強勢法」に加えることもあります。
:身ぶり、そぶり、態度、ゼスチャー、手振り、表情、面持ち、顔色



例文を見るその1例文を見る(末尾)

引用は『舞-HiME』1巻から。

この、コミックス版の『舞-HiME』は、アニメとは別のストーリー展開をしています。ですので、『舞-HiME』のアニメを見ていた人にも、引用したこのシーンまでの説明を読んでみて下さい。

まず、主人公は「楯 祐一」。そこのところから、まずアニメとは違う。

で、祐一は、「HiME」が「オーファン」という、高次物質化能力を操り、学園に攻撃してくる敵と戦っていることを知る(51ページ)。

だけれども、「HiME」たちが戦いをすると、その力が学園にも及んでしまい、学園が破壊されてしまう。
それを、生徒会執行部の「珠洲城遥(すずしろ・はるか)」が叫んでいるのが、引用のシーン。
本!!
末!!
転ッ!!
倒ォ!!!
と、叫んでいます。大声で叫んでます。それは、「!」マークの数からみても、よく分かります。

なお。
この「舞-HiME」についての雑談は、「頭文字法」に書きました。そちらもあわせてご参照ください。



例文を見る例文を見る(末尾)

2つ目の引用は、『アキラとひより』上巻から。



吾妻さん!!
あなた自分を 知らなすぎるわ!
誰から見ても その容姿は
目を奪われても
おかしくないのよ?
私 あなたと こんな縁でしか
話した事なかったけど
全く知らない私の耳にも
あなたの噂をたまに 聞くぐらい
注目度あるのよ!
現に「カッコイイ女の子」
部門第一位に 選ばれてるし
性格は確かにちょっと
変わってそうって思うわ
でもそれも ミステリアスな感じで
いいかもしれない
ううん! だからこそ私
もっとあなたの事知りたい
私にはないもの
いっぱい持ってるもの!
十分素敵だもの!
だから
「私なんて」とか言わないで!!

——『アキラとひより』上巻40~41ページ
(桐原いづみ/スクウェアエニックス ヤングガンガンコミックス)

この引用したところ全部が、「強勢法」です。この部分が「強勢法」だといえる理由としては、具体的には、つぎの3つがあると考えられます。

1つ目は、「!マーク(感嘆符)」を使っていること。「!マーク(感嘆符)」による強調は、そのまま「強勢法」とになっています。これは、「頓絶法」とも関連します。

2つ目は、ギザギザ型のふき出しを活用していること。このギザギザ型ふき出しは、小説など文字だけで表現っをするようなジャンルでは登場しません。ですがコミックスでは強調のために、よく使われます。

3つ目は、やたらと長いセリフを利用していること。1つのことがら(今回は「アキラ」)について、いろいろな角度で描きだす。それによって、「強調」になっているのです。こちらは、「敷衍」とも関連します。

このように、「強調」をあらわす3つの方法が、それぞれ相乗効果を生んでいる。こうすることで、「強勢法」といての役割を果たしています。



レトリックを深く知る

深く知る1「強勢法」の広い意味と狭い意味

広い意味では、強調して印象を強めるために使われるレトリック全体を指します。ですが、この考え方では、ほとんどの「レトリック」についても、「強勢法」といえることになってしまいます。

ですのでこのサイトでは「強勢法」を、狭い意味、つまり「言葉や文を強く発音する」というものに限定しておきます。




レトリックの呼び方

呼び方 強勢法
呼び方 強調
呼び方 強意・強調含蓄


関連レトリック

漸層法(広義の)誇張法皮肉法隠喩冗語法敷衍頓絶法

参考資料

●『現代言語学辞典』(田中春美[編集主幹]、樋口時弘・家村睦夫・五十嵐康男・倉又浩一・中村完・下宮忠雄・田中幸子[編集・執筆]/成美堂)

それほどページを割いて、説明してあるわけではありません。ですが、ほかのレトリック用語との関連が書かれていたりといった、特筆すべき点があります。


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