|
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
頓降法 とんこうほう bathos | ||||||||||
![]() |
|
|||||||||
——『新☆だぁ!だぁ!だぁ!』1巻149〜150ページ (川村美香/講談社 コミックスなかよし)) |
![]() ![]() |
|||||
頓降法は、は、段々と盛り上がってきたものが、急に落ちるように展開するレトリックです。途中までは「漸層法(狭義の)」のように、次第に盛り上がっていくように進んでいきます。ですが、最後でステップを踏み外したように、急に転落するといった表現です。 |
|||||
![]() |
|||||
![]() |
|||||
バカバカしいと思ってしまうような、滑稽な文。それから、知らぬ存ぜぬという態度をとってウラでは嘲笑しているような文。そんな文を、作り出すことができます。 | |||||
![]() |
|||||
![]() |
|||||
「頓降法」を使うと、話の流れが相手の予想に反して急に落ちる、ということになります。そのような状況におかれた受け手(読み手・聞き手)は、肩透かしを食らったような気分になります。 | |||||
![]() |
|||||
![]() |
|||||
肩すかしを食らった受け手の様子を、あざ笑うといったこともあります。 | |||||
![]() |
|||||
![]() |
|||||
![]() |
|||||
最初はだんだんと盛り上げておきながら、最後に急に落とす。次第に登ってきたけれども、頂上までには届かずに転落させる。そういったものが、「頓降法」です。 | |||||
![]() |
|||||
|
![]() ![]() |
|||||
引用は『新☆だぁ!だぁ!だあ!』1巻から。 主人公は「未宇」。 「未宇」は、“時空のひずみ”に入ってしまい「オット星」へと来てしまった。そこで会ったルゥという少年が、地球まで宇宙船で送ってくれることになった。 しかしオット星から地球までは、距離が長い。宇宙船での旅の途中で、いろんなトラブルと遭遇する。 画像で引用したのは、そんなトラブルのうちの1つ。宇宙船で一緒に旅をしていた「ミニニャー」の熱が、どんどん上がっていく。「宇宙病にかかってるな……」というルゥの言葉に対して、未宇が「宇宙病!?」と聞き返しているのが、引用した場面になります。 ルゥは「宇宙病」について、こんなふうに説明します。 という感じで、熱が上がっていくにつれて段々と悪化していくようすを話します。が、最後に来て と言います。いきなり「宇宙病」が、どうでもよさそうな病気になってしまいました。 まあ、確かに「タコのすがたになる」のはイヤです。でも、いままで段々と病気が悪化していくことを説明した後に「タコのすがたになる」と言われたら、急に転落したような感じを受けます。この点が「頓降法」にあたります。 |
|||||
|
![]() |
|||||||||||||||
![]() |
|||||||||||||||
![]() |
|||||||||||||||
「頓降法」に近いレトリックについては、「漸層法(広義の)」のほうにまとめてあります。くわしくは、そちらも参照して下さい。 | |||||||||||||||
![]() |
|||||||||||||||
ここに、
この用語をどのように区別するかについては、統一されていないように思われます。そもそも、日本語のほうには3つの用語があるのに、英語のほうには2つしか用語がない。そういったことからみても、まだ統一された考えかたがない、ということを物語っています。 この点についてこのサイトでは、次のように区別することにします。 「頓降法」(=bathos)は、ことばが段々と盛り上がっていったあとに、最後で急にストンと落とすというレトリック。 「漸降法」(=anticlimax)、は、ことばが段々と弱まっていくというレトリック。 そして、あまってしまった「反漸層法」については、「漸降法」の別の呼び方だということにします。 ただしこの区分は、あくまで、ひとつの考えかたです。他の人が書いた本だとか、他の人が作ったサイトでは、違った説明がされている場合があります。 ですので、その解説をしている人が、どのような区別をしてレトリック用語を使い分けているか。そこのところを、よく見きわめて下さい。 |
|||||||||||||||
![]() |
|||||||||||||||
主人公は、樹多村光(きたむら こう)。小五。 そして、樹多村の口から 「好きな男達がたくさんいて」と言われている女の子は、月島若葉。彼女も、同じく小五。 でも、まあ。 くわしいキャラ設定は、今回は説明する必要がなさそうです。 たとえば、樹多村の家がスポーツ用品店で、月島若葉の一家がバッティングセンターを営業しているという都合もあって親しくしているとか。そういったことは、「頓降法」というレトリックとは関係ありません。 じゃあ、何が「頓降法」と関係しているのかというと。それは、主人公の樹多村のことを「おもしろくない」と思って攻撃してくるキャラたちの、ケンカの強さををならべた順番です。 右の例文を見ても、すぐにわかると思いますが。 学年で一番という説明の順番になっています。つまり、1番(トップ)→3番→5番、というところまでは、順調に「下がって」いたはずなのです。それなのに、とつぜん「圏外」という「急に落っこちた」説明になっています。 これを、レトリックっぽく分析すると。この表現は「頓降法」に加えて、「漸降法」というレトリックもプラスされているともることができます。 「頓降法」も「漸降法」も、どっちもマヌケっぽさを出すためのレトリックです。なので、「マヌケっぽさ」の効果がレベルアップして、さらに強くなっているといえそうです。 なお、この表現については。 「降移法」というレトリックにふくまれる、と考えることもできそうです。この「降移法」については、くわしくはリンク先のページをご覧ください。 じつは。 ちょっとヘンな流れをした「頓降法」、というものがあります。 どこが「ちょっとヘン」なのかというと。 途中まで、すでに「下がって」いたものが、急に落っこちるといったパターンになっている、そんなものがあるのです。 |
|||||||||||||||
|
![]() |
||||
![]() |
頓降法 | |||
![]() |
急落法・急落 | |||
![]() |
反漸層法※ | |||
※「反漸層法」は、「漸降法(下降的漸層法)」(amticlimax)の名前で使われることもあります。ですので、このサイトでは「反漸層法」という用語は原則として使っていません。 |
![]() |
|||
列叙法、漸層法(広義の)、漸層法(狭義の)、降移法、昇移法、漸降法、飛移法、変態法、頓旋法、転折法、多種列挙 | |||
![]() |
|||
![]() |
|||
この本が、とりあえず簡潔でしかも重要な点をおさえてあります。特に飛び抜けて参考になるというワケではないのですが。 | |||
|
![]() |
このサイト全体からのサーチ | 「使う目的別のページ」の中からサーチ |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |