スマホへ対応するための応急措置をしています。なのでレイアウトが少しヘンですけれども内容は全く問題ありません
  • 定義重要度
  • アクロスティックは、「それぞれの行の、最初に出てきていることば」のうちで、「先頭で使われている文字」をつなげていくと、べつの単語が浮き出てくる。そういったレトリックです。
  • 効果
  • 効果1ことばを織りこむことができる
  • 文とか節とかの、いちばん最初の文字をつなげていく。それはつまり、わざわざ「相手に伝わりにくい」方法をとっていることになります。ですので、このことを利用して、直接には言いにくいことを織りこんで、相手に伝えることができます。
  • :隠しことば、暗示、織りこむ、繰りこむ
  • 効果2ことば遊びになる
  • この「アクロスティック」は、それ自体で「ことば遊び」になります。つまり、「アクロスティック」を作ることが、1つの遊びとなることがあります。その場合には、だれかに対して特別に何かを示すためのものではないこともあります。
  • 使い方
  • 使い方1さいしょの文字をつなげると、ことばが出てくるように作る
  • 単語だとか、節だとか、文だとか。そういったものの、それぞれの先頭にある文字をひろっていく。すると、何か意味が読みとれる。そのようにすることで、「アクロスティック」を作ることができます。
  • :折り句、折句、縦読み
  • 使い方2文末で作ることもできる
  • たまに、この「アクロスティック」が、最初の文字をつなげるのではない場合もあります。たとえば、最後の文字をならべるということもありますですが、ほとんどの場合、文のさいしょにある音をつなげていくことを指します。
  • 注意
  • 注意1「アクロスティック」を使ったことを、ほのめかす必要がある
  • この「アクロスティック」というものは。
    「アクロスティック」を使ったということが、伝える相手に分かってもらえない可能性があります。というのは、もしもふつうの文章だと考えて読むのであれば。ふつうのヒトは「アクロスティック」を使った文章だとは、考えないからです。

    そのため。せっかく「アクロスティック」を使ったはずなのに、そのことが相手には読みとってはもらえなくなる。…といったことが、十分ありえます。

    そういったわけで。
    読み手とか聞き手とかに「アクロスティック」の文章なんだと気づいてもらうためには、なにかつけ加える必要があります。それは、「ほのめかす」「暗示する」といった方法でもかまいません。また、「ダイレクトに書く」という手段もありえます。ですがどっちにしても、なにか「アクロスティックだ」という合図をつけておかなければなりません。
  • 注意2日ごろ使うレトリックではない
  • この「アクロスティック」というレトリックは、日ごろ使うものではありません。たしかに、この「アクロスティック」は、「ほんとうの意味を隠して伝える」ができます。けれども「アクロスティック」を作るためには、かなりの時間がなければなりません。なので、もっと作りやすい「レトリック」を代わりにすることを考えたほうがいいという時もあります。


  • 例文を見るその1例文を見る(末尾)
  • 例文は『DEATH NOTE』1巻・2巻から。

    主人公は、夜神月。名前の読みかたがちょっと変わっていて、「月」で「ライト」と読みます。

    月は、学校で「デスノート」をひろう。そしてこの「デスノート」をめぐって、争いがおこる。それがストーリーとして描かれていきます。

    では、その「デスノート」とは、どんなものか。この「デスノート」を使うと、人が殺せます。ノートのタイトルそのものです。具体的には、殺したい相手の顔をおもいうかべながら、その相手の名前を「デスノート」に書く。そうすると、その相手は死ぬことになります。この「デスノート」は、もともと死神が持っているはずのものでした。

    さらに、死ぬ方法も決めることができます。「バスジャック中に事故死」とか、ある程度は指定が許されています。

    月は、凶悪犯罪者を殺すため「デスノート」を何度も使った。その結果、凶悪な犯罪者たちが相次いで死ぬということになった。警察も、これは不自然だと考えるようになります。そして、この何人も殺害をしている人を「キラ」を呼ぶことにしました。

    そして、そこで「L(エル)」に捜査をゆだねることにした。この「L(エル)」というのは、迷宮入り事件の「最後の切り札」とされていて、その素顔はだれも知らない。知らないから、相手の顔をおもいうかべることができない。だから、「デスノート」で「L(エル)」を殺すことができないというわけです。

    ここに、キラ(を演じる月)とL(エル)との火ぶたが切られることになります。

    月は、ある凶悪犯罪者を殺すことにした。ちなみに「凶悪」というのは、放火5件で13人殺害です。それはいいとして、この凶悪犯罪者の名前を「デスノート」にかくときに、一つ新しいことをした。それは、ダイイングメッセージ」をのこさせた、ということです。

    ここで引用した3つが、のこされた「ダイイングメッセージ」となります。そして、ここで使われているのが「アクロスティック」です。


  • 例文を見る例文を見る(末尾)
    • --『せんせいのお時間』3巻122ページ(ももせたまみ/竹書房 BAMBOO COMICS)
      • おかしいおかし
      • みか先生
      • 避難訓練のポイントは おかしです」
      • 小林
      • わかった!! しゃれで なりいけてる ょうがくせい!!」
      • みか先生
      • ちがいまーす」
      • 北川
      • じゃ私は いしそうで わいい ょーとな みかセンセ♡」
      • みか先生
      • おっ?」
      • 工藤
      • じゃあオレは したおせ どわかせ あわせになろうな 末武ッ」
      • 委員長
      • えーと じゃ私は」
      • みか先生
      • さない けない ゃべらない」
    • --『せんせいのお時間』3巻122ページ
      (ももせたまみ/竹書房 BAMBOO COMICS)
    2つ目の引用は、『せんせいのお時間』3巻から。

    みか先生は高校の国語の先生で、担任もしています。しかし、引用した部分は「番外編」ということで、小学校(4年?)のクラスを担任している、といった設定になっています。

    で、避難訓練の時の「合い言葉」を教えているのが、引用のシーン。
    つまり、それぞれの句の先頭の語をならべると「お・か・し」になる。

    …そのはずなのですが。このクラスは一筋縄ではいかないメンバーがそろっている。
    しゃれで
    なりいけてる
    ょうがくせい!!

    いしそうで
    わいい
    ょーとな
    みかセンセ♡

    したおせ
    どわかせ
    あわせになろうな
    末武ッ
    と、かなり独創的な「お・か・し」が登場してきます。

    まあ、有名な言葉だから書くまでもない気がするけど。正解は、みか先生の言っている、
    さない
    けない
    ゃべらない
    というもの。

    しかし、上で使った4つの文。そのどれもが、「お・か・し」を先頭に置いています。
    このようなものが、「アクロスティック」に当たります。


     【おまけ】

    蛇足。

    ここでの引用した画像を、説明するために。書くべきことなのかどうか迷いましたが、念のために書いておくことにします。

    工藤の言っている、
    したおせ
    どわかせ
    あわせになろうな
    末武ッ
    に出てきている「末武」は、男です。つまり、工藤(♂)が好きなのは、末武(♂)なのです。

    『せんせいのお時間』第3巻に書かれている「末武」の紹介。
    特徴:セクシャルに倒錯なこと
    まったく、その通りです。
    だから、末武(♂)への気持ちとして、「おしたおせ/かどわかせ/しあわせになろうな/末武ッ」という言葉が出てくるんです。

    説明の必要があるのかは迷いましたが、いちおう書いておきました。



  • レトリックを深く知る

  • 深く知る1「折句」との関係
  • この「アクロスティック」が短歌で行われる場合には、特に「折句」といいます。
    つまり、短歌の「五・七・五・七・七」のそれぞれの句の最初にある言葉の場合は、「折句」という名前がつけられています。
  • 深く知る2「あいうえお作文」との関係
  • あと、この「アクロスティック」と同じようなことばとして、「あいうえお作文」というものがあります。

    実のところ、この「あいうえお作文」という呼びかたが、いちばん広まっているみたいです。
    ためしにgoogleで、インターネットのサイトでどれくらい多く使われているか調べてみました(2007年4月)。
    すると、
    • 「アクロスティック」--734件
    • 「折句」--15,600件、「折り句」--9,780件
    に対して、
    • 「あいうえお作文」--97,500件、「アイウエオ作文」--14,700件
    という結果でした。

    ただ、「あいうえお作文」といったばあいには、最後に「オチ」が待っているという感じがします。ですが、「アクロスティック」というレトリック用語には、 そういった含みはありません。まあ、「ことば遊び」のひとつであることには間違いないですが。
  • 深く知る3「縦読み」との関係
  • 「2ちゃんねる」で時々見かける「縦読み」というもの。これも、「アクロスティック」にかなり近いものだと思われます

    2典plus」に、説明がのっています。
    また、「ウィキペディア」にある「縦読み」のページにも、解説が書かれています。

    あわせてご参照ください。
  • 深く知る4「アルファベットアクロスティック」との関係

  • 深く知る5縦書きの文章を「アクロスティック」にするためには

  • 縦書きの文を使って「アクロスティック」をつくる。そのときには、「縦読み」ではなくなります。いうなれば、「横読み」になります。

    「横読み」では1文字目は、縦書きの文のうち「最後の行」の始めの文字から順に読むことになります。ですので2文字目は、「最後から2番目行」の始めの文字を読むことになります。

    なにが言いたいのか。それは、「縦書きの文章」を「アクロスティック」として読みとるためには、1つの文章のうち、最後の行から最初の行までさかのぼって読むことになるということです。


  • レトリックの呼び方
  • 呼び方5
  • あいうえお作文・アイウエオ作文
  • 呼び方4
  • アクロスティック、折り句・折句
  • 使い方1
  • 物名よみこみ


  • 関連レトリック
  • 参考資料
  • ●『遊びの百科全書--1 言語遊戯』(高橋康也[編]/日本ブリタニカ)
  • 「アクロスティック」について、かなりのページ数を使って説明しています。また、「アクロスティック」だけではなく、「ことば遊び空言(そらごと)」をていねいに解説してあります。
  • ●『言葉は生きている-私の言語論ノート-』(中村保男/聖文社)
  • レトリックを扱っている学者が書いた本。そのうちで、いちばん重みをもって「アクロスティック」のことを取りあつかっている書籍だと思います。
  • ●『言語学大辞典 第6巻術語編』(亀井孝・河野六郎・千野栄一[編著]/三省堂)
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  •  辞書や辞典といった中では、こちらの説明が大切と思われる点をまとめてあると思います。